待望の花ひらく春祭り、喜びあふれる東北へ。鉄道で桜前線を追いかけて

「桜前線」に乗るつもりで、鉄道で旅をしたくなる春。長い冬を抜けて、待望の季節を迎える東北各地を訪ねてはいかがでしょう。春祭りの多くは桜が主役のため「開花待ち」ではありますが、入場無料・予約不要で楽しめることも多く、思い立って気軽に行くことができそうです。新幹線のきっぷの手配はお早めに!

東北の春祭り、ここに注目!

「みちのく三大桜名所」をはじめ、桜の開花にあわせて東北各地で開催される春祭り。自然豊かな東北ならではの、スケール感のある景観と物語を見せてくれます。歴史を刻む城や町並みも、桜色に染まって準備万全。北へと咲き進む桜前線とともに鉄道で行きたい、9つの春祭りとそれらを楽しむポイントをご案内します。

【青森】弘前さくらまつり|みちのく弘前の桜、世界に誇るニッポンの宝

岩木山を借景に「日本一の桜」を守り続ける弘前公園(2025年撮影時)
満開の桜を見上げて歩けば〈ハート〉が見つかるかも?(足元にはご注意を!)

「みちのく三大桜名所」の筆頭に挙げられる弘前公園には、52種類・約2,600本もの桜が植えられ、まさに〈桜の聖地〉と呼ぶにふさわしい景観が広がります。

桜越しに弘前城天守や城門、桟橋を望む定番の撮影スポットをはじめ、思わず足を止めたくなる風景が点在し、桜の枝が重なって空に〈ハート〉を描く人気スポットは「桜守(さくらもり)」が見つけた場所。桜守は、弘前のりんごの剪定技術を応用した〈低い目線〉の桜づくりなど「日本一の桜を守り続けるプロ集団」です。

つぼみ、開花、散り際まで刻一刻と表情を変え、魅了する桜。春風に舞う「桜吹雪」やお濠を淡紅色に染める「花筏」まで、息をのむ光景に立ち会えるでしょう。人生に一度は、弘前の桜文化と多彩な桜景観に出会える「弘前さくらまつり」へ!

東京から弘前へ行くには、まず東北新幹線「はやぶさ」で約3時間の新青森へ。JR奥羽本線に乗り換え、約35~40分で到着です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月17日(金)~5月5日(火・祝)

開催場所:
弘前公園

問い合わせ先:
弘前市立観光館 TEL 0172-37-5501

アクセス:
JR弘前駅からバス約15分「市役所前」下車、徒歩約4分(追手門口)

備考:
開花状況により会期の変更等を行う場合があります。

URL:
https://www.hirosaki-kanko.or.jp

動画・画像提供:
青森県弘前市

【秋田】角館の桜まつり|武家屋敷から桧木内川へ……桜が結ぶ春の回廊

武家屋敷通りのシダレザクラが咲く頃に始まる「角館の桜まつり」
桧木内川堤の桜が一斉にほころぶと、角館は春爛漫の彩りに包まれます

雪深い秋田に春を迎える「角館の桜まつり」。武家屋敷通りのシダレザクラが花開くと、桧木内川堤に約2kmにわたって続くソメイヨシノも順々に咲き始めます。

歴史情緒ゆたかな黒板塀の通りに降り注ぐように咲き誇る桜は、時代を超えても変わらない美しさ。国の重要伝統的建造物群保存地区に佇む天然記念物や、樹齢300年を超える古木も、この町を静かに見守るかのようです。

桧木内川沿いへ向かえば、川風に揺れる桜の帯がゆるやかに続き、開放的な春景色が現れます。桜の回廊をカメラ片手にそぞろ歩くのもよし、人力車に揺られて桜色に染まる町を巡るのもこの季節ならではの楽しみです。夕暮れには人出も落ち着き、灯りに浮かぶ夜桜がしっとりと旅の余韻を深めてくれるでしょう。

東京から角館へは、秋田新幹線「こまち」で約3時間です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月15日(水)~5月5日(火・祝)

開催場所:
角館町内、武家屋敷通り、桧木内川堤

問い合わせ先:
仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」TEL 0187-54-2700

アクセス:
JR角館駅から徒歩約20分

備考:
桜の開花状況によってプレ開催を行います。

URL:
https://tazawako-kakunodate.com/events/16782/

画像提供:
一般社団法人田沢湖・角館観光協会

【岩手】北上展勝地さくらまつり|ピクニックは北上で! 満開の桜と春の喜びを体験

北上川沿いに約2km続く桜並木。まつり期間中は観光馬車の運行も
約20m上空からお花見ができる、さくらスカイバルーン(係留熱気球体験)

東北最大級・約1万本の桜が咲く北上展勝地は、圧倒的なスケールを誇る岩手屈指のお花見スポットです。

北上川沿いに約2km続く桜並木が主役の「北上展勝地さくらまつり」では、満開の桜の下を進む観光馬車や、広場に係留された熱気球体験など多彩な催しが充実。民俗芸能の公演やライブ・パフォーマンス、夜桜ライトアップまで、一日を通して春のにぎわいを楽しめます。

期間中は「うまいもの市」も。花見にぴったりの名物「北上展勝地もち」は〈花よりお餅〉と評判の逸品です。少し足を延ばして桜並木の対岸や展望地「陣ヶ丘」から眺めれば、桜の帯と川風に鯉のぼりが泳ぐ北上らしいのびやかな景色が広がります。

東京から北上への行き方は、東北新幹線「はやぶさ・やまびこ」で約2時間30分~3時間です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月10日(金)〜4月29日(水・祝) 10:00~17:00 ※開花期間・イルミネーション期間中は10:00~20:00

開催場所:
北上展勝地

問い合わせ先:
北上観光コンベンション協会 TEL 0197-65-0300

アクセス:
JR北上駅から徒歩約20分

備考:
期間中の土日祝に、北上市内~展勝地を結ぶ有料シャトルバスが運行予定。詳細はホームページ参照

URL:
https://kitakami-kanko.jp/

画像提供:
北上観光コンベンション協会

【宮城】榴岡公園桜まつり|杜の都に桜がつなぐ縁 、にぎわう春の宴

仙台市民のお花見の定番スポット ※画像はイメージです
園内には多彩な品種の桜があり、長い期間お花見を楽しめます

桜の開花にあわせ、3月下旬〜4月中旬に開催される「榴岡公園桜まつり」。仙台から1駅のこの地に昔、ツツジが多く咲いていたことに由来する地名ですが、今は公園内にソメイヨシノのほか、遅咲きのシダレザクラ、八重紅枝垂、ウコンザクラなど14種・約350本の桜があり、杜の都の花見スポットとなっています。

期間中は公園一帯が華やかな〈春の宴〉に変わり、お花見自由広場や南エントランスには多くの屋台が並びます。定番から地元の味まで勢ぞろい。昼間は家族連れでにぎわい、夕方からは提灯の明かりで夜桜も。さらに週末には野外音楽堂でのお花見ライブや、芝生広場では毎年人気の企画・お花見プロレスも行われ、春のにぎわいを感じながらゆったりと過ごせます。

東京から仙台への行き方は、東北新幹線「はやぶさ」で約1時間30分です。

インフォメーション

開催日時:
開花宣言が出るまではプレオープン。本営業は開花日~2026年4月19日(日)まで(南エントランスは5月6日(水)まで)の11:00~21:00(金土日は10:00から、ライトアップは日没から)

開催場所:
榴岡公園

問い合わせ先:
榴岡公園お花見協賛会 TEL 022-299-2361

アクセス:
JR榴ケ岡駅から徒歩約5分

備考:
開催期間、時間は花や来場者状況により変更となる場合がございます。

URL:
https://www.ohanami-sendai.net/

画像提供:
お花見協賛会

【宮城】おおがわら桜まつり|巡りくる春の色彩とにぎわい「千本桜を千年先へ」

大河原町と柴田町にかけて、白石川堤に桜並木の散歩道が続きます
残雪の蔵王連峰を背景に咲き誇る「白石川堤一目千本桜」

白石川沿いに約8km続く桜並木「白石川堤一目千本桜」は、約1,200本のソメイヨシノが咲き誇る、宮城県を代表する桜名所。〈一目千本〉とは、まるで千本の桜を一目に見渡すような壮観さを表した呼び名で、白石川の澄んだ青さ、蔵王連峰に残る雪の白さと重なり、春の定番の風景となっています。

一目千本桜の見頃にあわせて開催される「おおがわら桜まつり」では多彩な出店が並び、地元の味やお花見弁当を桜の下で味わうことができます。期間中の4月12日には「髙山開治郎翁 生誕の150年記念」イベントも行われます。

大河原町出身の実業家・髙山氏による、桜の苗の寄贈・植樹から始まった「千本桜」は樹齢100年を超えました。「千年先へ」巡りゆく春の色彩とにぎわいを楽しみましょう。

東京から大河原町へは、東北新幹線「はやぶさ」で約1時間30分の仙台へ。JR東北本線に乗り換え、約35分です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月3日(金)~4月16日(木)「LED夜桜ライトアップ」は18:00~21:00
※桜の開花状況により開催期間を変更する場合があります。

開催場所:
白石川公園(大河原大橋〜末広橋)

問い合わせ先:
(一社)大河原町観光物産協会 TEL 0224-53-2141

アクセス:
JR大河原駅から徒歩約3分

備考:
例年ビュースポットとなる「韮神堰」は現在、改修工事中のため近づけません。お花見屋形船は運航しません。

URL:
https://www.oogawara.or.jp/

画像提供:
(一社)大河原町観光物産協会

【山形】霞城観桜会|やまがたの舞と雅と桜と……春宴の城跡へ

東大手門周辺のお堀沿いの桜。夜は約200本のライトアップも
「やまがた舞子」たちが桜舞う霞城公園内を「花見園遊」します

桜の名所・山形城跡で開花時期にあわせて開かれる「霞城観桜会」。霞城公園内外に咲き誇る桜を眺めながら、山形らしい文化行事を楽しめる恒例の催しです。メインイベントの日には、名物の「山めん寒ざらしそば献上式」で時代衣装をまとって献上の儀を行うほか、一般来場の方もそばを食べることができる賞味会も開催されます。満開の桜の下で大茶会や「やまがた舞子 花見園遊」も行われ、和の風情あふれる催しが続きます。

さらに、お堀に浮かべた船上で演奏などを披露する「風流花見流し」も見どころです。夕暮れになると、お堀沿いに並ぶ約200本の桜がライトアップされ、石垣や水面に映る夜桜を愛でることも。市内の桜名所「馬見ヶ崎さくらライン」へ足を延ばして、川沿いに続く桜並木の散策も加えると、春らしい一日を満喫できそうです。

東京から山形への行き方は、山形新幹線「つばさ」で約2時間40分です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月上旬~中旬頃 ※桜の開花時期にあわせて開催(咲き始めから散り始め)。メインイベントは、期間中の土日いずれか2日間予定。

開催場所:
霞城公園及びその周辺

問い合わせ先:
山形市観光戦略課 TEL 023-641-1212

アクセス:
JR山形駅から徒歩約10分

備考:
霞城公園整備工事が進み、園内の通行形態が変わる予定です。公共交通機関・周辺有料駐車場をご利用ください。

URL:
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/jigyosya/miryoku/kankojoho/1011332.html

動画・画像提供:
山形市観光戦略課

【山形】天童桜まつり|駒が立ち並ぶ春舞台、桜が導く祝祭の刻

倉津川の夜桜とともに美しい「むかさり行列」が行われます
天童ならではの「人間将棋」も必見! 舞鶴山山頂で2日間開催

山形県天童市の春を彩る「天童桜まつり」では、桜の名所・舞鶴山で行われる名物「人間将棋」が大きな見どころ。舞鶴山には約2,000本の桜が咲き誇り、山頂に設けられた巨大な将棋盤では甲冑や着物姿の武者や腰元たちが駒となり、プロ棋士・女流棋士の指し手に従って盤上を動く迫力の対局が繰り広げられます。花ひらく山頂で人が駒となる独特の光景は、「将棋のまち」天童ならではの風物詩です。

期間中は「しだれ桜の夕べ」や「天童花駒おどりフェスティバル」など多彩な催しも。まつり後は天童温泉に宿泊し、倉津川沿い約1.4kmのしだれ桜のライトアップを楽しんだり、川面に映る夜桜のなか優美な「むかさり行列」の伝統的な文化に触れたり、桜に導かれて特別な一日になりそうです。

東京から天童への行き方は、山形新幹線「つばさ」で約2時間30分です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月4日(土)~5月6日(水・振替休日)※人間将棋は4月11日・12日

開催場所:
舞鶴山山頂(人間将棋)及び市内各所

問い合わせ先:
天童桜まつり実行委員会事務局 TEL 023-653-1680

アクセス:
JR天童駅からシャトルバス約7分、または徒歩約20分

URL:
https://bussan-tendo.gr.jp/log/?l=557006

画像提供:
(一社)天童市観光物産協会

【福島】喜多方さくらまつり|鉄道の記憶と桜景色が重なる、どこか懐かしい散歩道

廃線跡を活かした遊歩道の側にSLが保存展示されています
約3㎞にわたり〈桜のトンネル〉が続く「日中線しだれ桜並木」

花の名所が多くある福島県。「喜多方さくらまつり」の会場となる「日中線しだれ桜並木」もその1つです。かつて喜多方駅と熱塩駅を結んでいた、旧国鉄・日中線の跡地を遊歩道として整備したもので、ほかにはない魅力があります。

約3kmにわたり約1,000本のシダレザクラが植えられ、数十年の時を経て春風に揺れる〈桜のトンネル〉となっています。ローカル線の記憶を留めた桜並木の中ほどには、この地を走っていた蒸気機関車C11形が保存展示され、絶好の撮影スポットに。どこかノスタルジックな旅情でお花見歩きが楽しめます。喜多方駅から徒歩数分とアクセスも良く、春の鉄道旅にぴったりです。

東京から喜多方への行き方は、東北新幹線「やまびこ」で約1時間20分の郡山へ。JR磐越西線に乗り換え、約1時間25分で到着です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月9日(木)~4月23日(木)

開催場所:
日中線しだれ桜並木

問い合わせ先:
日中線しだれ桜並木コールセンター(喜多方観光物産協会)TEL 0241-24-5200

アクセス:
JR喜多方駅から徒歩約5分

URL:
https://www.city.kitakata.fukushima.jp/soshiki/syoukan/60311.html

画像提供:
(一社)喜多方観光物産協会

【福島】鶴ヶ城さくらまつり|赤瓦の天守を彩る桜、城下町にぎわう会津の春時間

史跡・鶴ヶ城の名所と「日本さくら名所100選」を同時に楽しめる春時間
会津には「十の楽しみ」も。城下町の「楽市」のにぎわいを体感できます

会津に春を呼ぶ「鶴ヶ城さくらまつり」は、桜の開花にあわせて行われる恒例イベント。史跡・鶴ヶ城一帯に約1,000本のソメイヨシノなどが咲き誇り、美しい赤瓦の天守と、淡いピンクの桜が響き合う会津ならではの春景色となります。

同時期には、城下町のにぎわいを再現する「會津十楽 2026年春の陣」の開催も。会津の食・工芸の出店や芸能が集うほか、春のおもてなし市や植木市も開かれ、豊かな春の時間を過ごせます。歴史情緒を感じながら、「日本さくら名所100選」のお花見スポットを楽しみ、夜は東北随一のライトアップに包まれた桜の回廊を歩くなど、時間帯ごとの美しさに出会えそうです。

東京から会津若松への行き方は、東北新幹線「やまびこ」で約1時間25分の郡山へ。JR磐越西線に乗り換え、約1時間~1時間20分です。

インフォメーション

開催日時:
2026年4月1日(水)~5月6日(水・振替休日)「鶴ヶ城桜のライトアップ」は日没~21:30 ※桜の開花期間終了後は21:00まで

開催場所:
鶴ヶ城本丸内ほか

問い合わせ先:
会津まつり協会 TEL 0242-23-4141

アクセス:
JR会津若松駅(会津鉄道線直通)から市内循環バス「ハイカラさん」「あかべぇ」で「鶴ヶ城入口」「鶴ヶ城三ノ丸口」下車、徒歩約5分

備考:
「會津十楽 2026年春の陣」は4月11日~26日の土日、29日、5月2日~6日、10:00~16:00 ※開花状況によって開催日に変更あり

URL:
https://www.aizukanko.com/kk/festival/sakura-matsuri

画像提供:
会津まつり協会

桜前線を追いかけて……春を喜ぶ、みちのくの多彩な春模様に出会う

いよいよ東北が待ち望んだ春の到来です。数多くある東北の春祭りから「桜まつり」を中心に9つを厳選しました。お城と桜の競演、町並みと桜並木の調和、地域ごとの「春の風物詩」が、みちのくの多彩な春模様を見せてくれます。〈人生で一度は拝みたい〉桜の名所や、心ほどける景色に会いに行きましょう。

取材・文:新井さゆり

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