鉄道博物館ってこんなところ! 全エリアを駆け足でめぐってみました

編集部スタッフが仕事を忘れて楽しんでしまった鉄道博物館の各設備はこちら! 前回の座談会とこれから始まる連載のサブテキストとしてどうぞ。

てっぱくのお出迎え役! EF58形電気機関車(EF58 61号機)【本館1階】

EF58形電気機関車(EF58 61号機)

皇族の方々が利用するお召列車専用機として製造された電気機関車で、車体正面~側面に施されたステンレス製の飾り帯や国旗掲揚装置といった専用の装飾/設備を備えています。1953年に製造されて以来、お召列車のほかにも臨時列車やイベント列車をけん引したEF58 61号機は、鉄道博物館のエントランスで入館者のお出迎え役を担っています。

さまざまな装いの36車両が揃い踏み!「車両ステーション」【本館1・2階】

車両ステーション

エントランスを入って右手のほうにあるのは、2階までの吹き抜けとなっている鉄道博物館内で最大の展示室。国指定の重要文化財、鉄道記念物も含む蒸気機関車、電気機関車、客車、電車、新幹線電車、気動車、貨車、御料車などの36車両が公開されており、上部の壁面に設置された巨大スクリーンでは、映像や音、光を使ったダイナミックな環境演出を楽しむことができます。

D51シミュレータ

また、車両ステーションに入ってすぐのところには、D51シミュレータも。シリンダー圧力計、ボイラー圧力計、給水ポンプ圧力計、水面計、ブレーキ圧力計、速度計などが運転に連動して動くという本格的なもので、動揺装置による蒸気機関車特有の振動も体感することができます。なお、車両ステーション内にあるのは運転室部分の車体や機器のみ。前頭部は鉄道博物館に入館するまでのプロムナードで観ることができますよ。

鉄道車両年表

2階に上がると、1階をのぞき込むことができるようぐるりと囲むように設計されたバルコニー型の通路が。その壁面には鉄道の開業から現代までの鉄道車両の歴史をたどる年表と写真、車両模型が展示されています。こちらのコーナーは、実際に目の当たりにするとかなりの距離。鉄道の歴史の長さを物語っています。

体験することで鉄道を知る!「仕事ステーション」【南館1・2階】

仕事ステーション

車両ステーションをさらに南側へ抜けていくと到着するエリアが、「現在の鉄道」をテーマとする「仕事ステーション」。鉄道にまつわるさまざまな仕事にチャレンジし、プロフェッショナルになりきる 「体験型ミュージアム」です。

エリアは1階・2階にまたがっており、1階側にあるのは320km/hで走行する東北新幹線の車両としておなじみのE514形新幹線電車(E5系電車)のモックアップと、山形新幹線用車両としてデビューした411形新幹線電車(400系電車)。加えて、体験型の展示としては、京浜東北線などで知られる209系を使用した「車掌シミュレータ」もありますよ。

E5系シミュレータ
在来線シミュレータ

そこから2階へ上がると、東北新幹線(E5系)や在来線(205系、E235系、211系、E233系)の運転にトライすることができるシミュレータホールが。E5系 であれば最高時速320km/hでの走行を目の当たりにできたり、205系では100インチの3面スクリーンで見る山手線内回りの実写映像が使用されていたりと 、車両ごとに特徴のある運転体験が可能です。

さらには、ディスプレイ付きの簡易運転台を使用した運転士体験教室も。こちらはプロの運転士を養成するための訓練設備をもとに作られているもので、参加者全員が講師からのアドバイスを受けながら運転士の仕事にチャレンジすることができます。

鉄道を使ったにぎやかな遊び場が広がる「てっぱくひろば」【屋外】

てっぱくひろば
ミニはやぶさ号

南館から屋外に出て、さらに南側に進んだところにあるのは「てっぱくひろば」。鉄道を模した遊具がさまざまにあるほか、先頭車両を本物そっくりに作り込んだ「ミニはやぶさ号」「ミニこまち号」も運行されています。

ランチトレイン(183系)

さらには、オール2階建てのE153形新幹線電車(E1系電車)の先頭車両や、特急形車両を休憩スペースとして利用したランチトレインも。てっぱくひろばにあるランチトレインの車両は183系。「駅弁屋」で購入したお弁当を車内でほおばれば、一気に旅気分を味わうことができるかもしれません。

車両はミニでも中身は本格的! 親子で楽しめる「ミニ運転パーク」【屋外】

TRAINIART

エントランスを入って車両ステーションと反対側、左手のほうに進んだところには鉄道博物館の「第2の展示室」と位置付けているというミュージアムショップ「TRAINIART」が。鉄道を思わせるオリジナルグッズはデザイン性も機能性も高く、お土産選びがはかどります。

そこからさらに北へ進むと、見えてくるのがキッズプラザ。公募によりカラフルな水玉模様のラッピングが施された103系電車や、自分で選んだ容器や具でオリジナルの駅弁を作る「おままごとえきべん」などが体験でき、ファミリーでの来場を考慮したワンハンドフードが充実しているキッズカフェもあります。北館には鉄道に関する絵本や海外の鉄道図書を閲覧できるキッズライブラリーなど、鉄道に触れながら親子で楽しい時間を過ごすことのできる設備がたくさんあります。

ミニ運転パーク
展示車両(キハ11形気動車)
展示車両(DD13形ディーゼル機関車)

さらには、キハ11形気動車・DD13形ディーゼル機関車といった展示車両、急行形の交直流両用電車(455系)を使用したランチトレイン、鉄道博物館所蔵の映像の上映や特別企画やイベントに使用されるてっぱくホールに加え、1周300m、線路幅600mmのコースを長さ約2.4m、幅約1.2mの3人乗り車両で走行するミニ運転列車も。ポイントの速度制限なども含めた本格的な運転で「万世橋」「飯田町」「汐留」「両国橋」駅をめぐります。

数十年後の鉄道の姿を具体的に描いた「未来ステーション」【南館2階】

未来ステーション

南館2階の「未来ステーション」では、はじめに「アバター製造機」で自分のアバターを作成。現時点での研究から想像される未来の社会と、そんな社会における安全・安心かつ快適な未来の鉄道の姿を描いたアニメーションのなかに入り込み、疑似体験することができます。将来へ向けたアイデアを投稿することにより、よりよい未来の鉄道をみんなで考える「創造型ミュージアム」です。

大きすぎる鉄道立体模型 や収蔵物に驚き、高級車両で食事を楽しむ「鉄道ジオラマ」「コレクションギャラリー」「トレインレストラン日本食堂」【本館2階】

鉄道ジオラマ

本館2階の中心部分でひときわ目を惹くのが、編集部スタッフもその大きさに驚いた鉄道ジオラマ。広大な風景のなかに敷かれている総延長約1,200mの線路上を、総数約1,700両から選ばれたHOゲージの模型車両(新幹線が87分の1、在来線が80分の1の縮尺)が駆け抜けます。

コレクションギャラリー

加えて、同フロアには企画展などを行っている「スペシャルギャラリー1」「スペシャルギャラリー2」、文学・映画・音楽・絵画から駅弁・駅そばといった「食」にまつわるトピックまで、日本の鉄道カルチャーに多方面からアプローチした「鉄道文化ギャラリー」、鉄道や交通関連の書籍・雑誌・時刻表ほかが収集されている「ライブラリー」、初代の鉄道博物館のオープン(1921・大正10年)から現在までに集められた収蔵資料などが展示されている「コレクションギャラリー」といったさまざまな展示スペースが集結。

トレインレストラン日本食堂

ほかには、幅約4.5m×高さ約2.5mの3Dスクリーンを擁する「てっぱくシアター」(最近は2か月ごとに「てっぱく落語」も開催)や、食堂車をモチーフにしたラグジュアリーな外装/内装のレストランでぜいたくなメニューに舌鼓を打つことのできる「トレインレストラン日本食堂」といった施設も本館2階に点在しています。

現在から未来へ──実験と発見を通して触れる鉄道「科学ステーション」「歴史ステーション」「新幹線ラウンジ」「パノラマデッキ」【本館2~3階/RF/南館3階】

科学ステーション

本館には、科学的な視点から鉄道のしくみを紐解く「実験型ミュージアム」の「科学ステーション」が2階からの2フロアを使って展開。対して南館の3階にある「歴史ステーション」では、約150年に渡る日本の鉄道の歴史を6つの時代に区分し、それぞれの時代を生きた技術者の思い/その思いを乗せた技術の進化を一望できる展示が。歴史に身を投じる「発見型ミュージアム」として時代ごとの鉄道の姿を追いかけます。

新幹線ラウンジ
パノラマデッキ

また、現役の車両の走行を普段は見られない角度から確認できるエリアとして、本館3階には高架線上を運転する新幹線と埼玉新都市交通ニューシャトルを同じ高さから眺めることのできる「新幹線ラウンジ」、「科学ステーション」の最上部には約300度の屋上展望スペース「パノラマデッキ」、南館の屋上にはてっぱくでもっとも見晴らしの良い展望スペースとなる「トレインテラス」と3つのポイントが。4階には通過する新幹線を目の前にしながら食事を楽しめる「ビューレストラン」もありますよ。

……と、こんなところで鉄道博物館についての予習は終了! 次回からいよいよ新連載の開始です。

  • ※体験展示には有料かつ、てっぱく抽選アプリでの当選が必要なものがあります。鉄道博物館についてより詳しく知りたい方はこちらから

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