
2025/04/23
鉄道博物館を巡ろう! 編集部員が振り返る訪問時の思い出
鉄道の魅力をたっぷり味わえる鉄道博物館。ひょんなことから現地を訪れた編集部メンバーは、見どころがありすぎて驚くことに……。さらに、訪問したメンバーそれぞれどうやら推しポイントが異なるようなので、当日の思い出を語る座談会を開いてみました。
入場前から広がる鉄道博物館の世界
登場人物
編集部員S:
鉄道博物館に行くのは初めて。昭和の後半の風景や、写真を見ることが好き。東京の昔の地図を見ていろいろと想像して楽しんでしまう一面も。
編集部員K:
何度も鉄道博物館に行っている。鉄道で旅行するのが好き。最近は遠出できないのでもっぱら時刻表アプリで妄想旅行中。
編集部員T:
今回は鉄道博物館への訪問が叶わなかった天の声。

──「てっぱく」は、たしか最寄りの鉄道博物館駅を降りた時点から入館の期待を高める展示がいろいろとあるんですよね?
K:そうですね。駅を降りて改札を出ると、鉄道博物館に向かうまでの道筋から博物館のような雰囲気でした。通路の天井には新幹線のダイヤグラムをモチーフにしたオブジェクトが、床には新幹線の時刻表がデザインされていましたし、鉄道博物館に近づくにつれてSLの前頭部や車輪の展示等があって、入館する前から楽しめますね。
──テーマパークに向かうような雰囲気に近いですね。
K:そうですね。博物館なのでテーマパークではないと思いますが、ワクワクするような雰囲気ですね。
S:まず大宮駅からニューシャトルに乗る時点で、一つのイベントって感じでした。新幹線の横を走ってるんですよ。そこもちょっとアトラクション感がありましたね。
──それで、実際に入館してみると……?
S:入館すると、昔の駅名看板が、床の下のガラス張りになってるところに展示してあるんですよ。時々種類を入れ換えているみたいです。先に進むと改札機みたいなゲートがあってそこを通って入館、ゲートの先にはいきなり車両が展示してありました。

いよいよ入館! どこから探索しよう?
──そこで迎えてくれる車両は時期によって変わるんですか?
K:そこは変わらずですね。そのゲートの真正面にある電気機関車から右に行くと「車両ステーション」になっていて、そちらはちょっと薄暗い。エントランス自体はすごく明るくて開放的なんですけど、「車両ステーション」に入ると夜の車両基地みたいにシックな感じになっています。
──展示してある車両はすぐ近くで見られるんですか?
K:そうですね、触れそうなくらい近くで見られました。車両によっては車内に入れますしね。
S:昔の中央線の車両や、すごい昭和初期っぽい、床が木の車両の車内にも入れましたね。
K:やはり昔の車両って今と違ったところがあって、それを発見する面白さもありました。車掌が使う電車のドアの開け閉めするボタンがあるんですけど、客室から手が届くようなところにあったりだとか。今の電車だったらそんなところに設置しないだろうな~って思いました。
──そんなに近くで見られるんですね。電車って普段はそこまで近づいて見ることができないじゃないですか。なので、まじまじと見られるっていうのも鉄道博物館だからこその体験ですよね。

印象に残ったのはどんなこと?
──お2人とも、鉄道博物館で見たもののなかでいちばん印象に残っているものは何ですか?
K:今回行って印象に残ったのは、「歴史ステーション」でした。今回たまたま鉄道博物館の方にお話を聞く機会があって、今までと違った視点で見られて面白かったです。昭和中期・後期ぐらいのエリアを歩いているとき、当時若者だった世代が「昔こんなのあったんだよ」だとか「これ懐かしいよね」って言う人が多いということを教えてもらって。自分として未知の時代だけど、実際に経験した人にとってみたら、過去の自分を重ね合わせて別の思いが生まれる。鉄道の歴史だけじゃなく、自分の過去も振り返って楽しむみたいな、そんな巡り方ができるんだってことが新鮮でした。

S:僕はやっぱり昔の中央線の車両の車内に入ったのが一番印象的でしたね。古い路線図や広告があったりして面白かったです。今、東京メトロ東西線と中央線って直通運転してるじゃないですか。でも古い路線図を見ると中央線だけで、当時は直通運転してなかったのかな、なんて思いながら見ていました。過去を知らなかったとしても、昔こうだったんだっていう気づきを楽しむこともできると思いました。

──2人とも、時代はそれぞれですが、過去の思い出や記憶と結び付けて思うところがあったんですね。他にも気になったコーナーはありましたか?
K:今回は行けなかったんですけど「科学ステーション」というエリアがあって、学校の実験の延長線みたいな感じで、いろいろなことを試しながら鉄道の仕組みを学べます。「電車同士がぶつからないのはどうして?」とか「どうしてカーブを曲がれるの?」とか「電気はどうやって流れていくの?」とか楽しく勉強できる感じですね。親子で楽しめそうな場所です。

S:他にはシミュレータホールに行って、電車を運転してきました。数台運転できる機械があるんですけど、山手線がちょうど空いたんでやってみました。でもブレーキの仕方がわからなくて、到着する駅からはもうだいぶ過ぎちゃって……60mくらいいっちゃったのかな。
──あらら……それだともう完全に列車がホームから外れちゃってますね。
K:鉄道博物館のシミュレータで映っている映像は実写で、設備も本物と同じようなものを使っているので、かなりリアルな体験ができますね。収録当時の映像なので、景色に時代が感じられますよ。あの電車懐かしいな~、とか、ここにあの建物あったな~、とか、そういう楽しみ方もできるので、運転に慣れてきたら景色を見てみるのも楽しいと思いますよ。
──面白そう。でも、自分が運転したら60m超えどころじゃ済まなさそう……。

大きな鉄道ジオラマを楽しむ
──記憶に残っていることはまだまだありそうですね。
S:鉄道ジオラマも記憶に残ってますね。とても大きくて、沿線風景を模したような感じに作り込んでありました。走っている車両を、スタッフが解説していましたね。観客席があったので座ってじっくり楽しむことができそうです。
K:たまたま自分たちが解説を聞いた時は、信号機の解説もしていて、すごいマニアックな話だな~なんてびっくりしました。てっきりお子さま向けの展示なのかな、と思ってたんですけど、大人も楽しめると思いますよ。大きなジオラマに鉄道模型が走っているのを見るだけでもワクワクするでしょうし。展示室内にはベビーカーを置く場所があったので、そこにベビーカーを置いて子供を抱っこして、座って一緒に見ることもできそうですね。
S:今度は行くときは、解説の開始時間を確認して最初からじっくりお話を聞いてみたいです。

どのくらいの時間楽しめた?
──館内はどのくらいの時間をかけて見て回ったんですか?
S:3時間くらい滞在したんですけど、時間が足りなかったですね。気づいたらもう帰らなくちゃいけない時間になっちゃって。
K:じっくり見て楽しむとすると、丸一日あっても全部は無理そうですよね。例えば「歴史ステーション」は情報量がめちゃめちゃ多いから、あそこだけでもかなりの時間を過ごしてしまいそうです。
S:そうですね。年表があるだけじゃなくて、昔の券売機や設備がありましたよね。「歴史ステーション」に限らず、鉄道の歴史や車両そのものを楽しむことが、昔の町や雰囲気を追体験することにつながるんじゃないかと思います。過去の文化を楽しんだり、知ることができる場所。なので、今の若い人なら「昔ってこうだったんだ」って思うこともあるでしょうし、以前を知っている人なら懐かしい気持ちになったりすることもあるのかなって。もしかしたら、子どもよりもいろんな意味での楽しみ方、感じ方ができるかもしれないですよね。もちろん、子どもならまっさらな気持ちで楽しめるかなと思います。

──ここまで「てっぱく」のさまざまな推しポイントを挙げてもらいましたが、とくにどんな人へおすすめしたいですか?
S:「歴史ステーション」を回っていたとき、当時の風景を想像しながら「鉄道はこうやって育っていったんだな」ってことを感じられて面白かったので、歴史好きの人におすすめしたいなと思いました。
K:僕としては、やはり鉄道好きの人にすすめたいと思います。普段とは違う角度で楽しめますし、シミュレータだったら運転台のなかもじっくり見られる。鉄道を見る、乗る以外に「鉄道の仕組み」にも興味を持っている人だと、いろいろな発見ができて面白いかな、と思います。
もっとたくさん鉄道博物館を知りたい!
そんなこんなで終了したこの日の座談会。けれど、これでは鉄道博物館の魅力を伝えきれていない……ということで、「てっぱく」で働く人に直接語ってもらうことにしました!
なかの人の目線で鉄道博物館を深堀りする連載がもうすぐ始まりますよ~。公開をお楽しみに!
- ・鉄道博物館の公式HPはこちらから