元駅員によるブルワリーも!「南武線ビアマルシェ」で沿線生まれのクラフトビールを楽しもう
2025/10/09

2025年10月10日(金)~11日(土)の2日間、南武線の稲城長沼駅からすぐの「いなぎペアパーク」で開催される「南武線ビアマルシェ2025」。2023年から始まり、今年で3回目を迎える本イベントに、主催である「中央線ビアワークス」が初出店! この8月にグランドオープンしたばかりの「中央線ビアワークス」とは、JR東日本グループで初、小金井市で初となるクラフトビールの醸造所。運営するのは、なんと元駅員さんです! 今回は、クラフトビールから広がる地域のコミュニティについて、担当スタッフの皆さんにお話を訊いてみました。
通り過ぎるだけの〈駅〉ではなく、人々の交流の場に
今回お話を伺った皆さん
木村さん(中央線ビアワークス)
平野さん(中央線ビアワークス)
吉村さん(中央線コミュニティデザイン)
※南武線ビアマルシェの企画・運営を担当
――「中央線ビアワークス」の根底には「地域の絆を深める」という目的があると思いますが、そのスタートについて教えてもらえますか?
吉村:駅を利用される地域の皆さまと駅社員のコミュニケーションツールとして、ビールの原料となるホップ栽培をスタートしました。ホップ栽培を通じて地域の方々との会話が増え、ただ通り過ぎるだけの〈駅〉ではなく、駅を人々の交流を創出する場所にしていきたいと考えています。
駅員からブルワーへの挑戦

――ホップの栽培に始まり、続いてビールの醸造に移るわけですね。駅員として働いていたところから、ブルワー(醸造家)を目指したきっかけを教えてもらえますか?
木村:木村も平野も、駅員として勤務していた頃から、クラフトビールイベントなどを通して地域と繋がる喜びを感じてきました。その経験から、自分たちが作り手となり沿線をもっと盛り上げたいという想いが芽生え、みずから希望して醸造担当となりました。
――クラフトビール作りは全くの初心者だったと思いますが、どのように技術を学ばれたのですか?
平野:クラフトビールも大手のビールも、製造過程は変わりません。麦芽粉砕から始まり、糖化、濾過、煮沸、ワールプールなどの工程を経て作った麦汁を、冷やしながら発酵タンクへと移送します。その後、酵母を添加することで発酵が始まり、おおむね3~4週間程度でビールが出来上がります。
約1年前はビールに関する知識も技術もありませんでしたが、宮崎県にあるブルワリーにて数か月研修をし、その後、都内近郊のマイクロブルワリーでも研修を行いました。
――そして、オリジナルビールの醸造に着手。その過程では苦労もあったり?
平野:そうですね。研修先では様々な設備を触らせていただきましたが、やはり設備ごとの特性がありますので、その違いに悩まされました。研修先ではできたことが、自分たちの設備でやるとうまくいかない。そこをどう解消するか、というところが非常に苦労した点になります。
――それでも続けたビール造り。その奥深さはどんなところですか?
平野:ビール開発は非常に科学的で、色味や苦み、アルコール度数などは全て数値的な計算をもとに割り出すことができます。ただ、味わいだけは数値化できない部分になりますので、麦芽、ホップ、酵母の品種や量などを調整して、自分好みの味を求めていくことが何よりビールの奥深さを感じる瞬間です。
中央線ビアワークスが追究した定番ラインナップは3種類!
■ゴールデンエール(ABV:4.5%、IBU:14)
アルコール度数は控えめ。ゴクゴクと何杯でも飲めてしまう!?
「麦芽の香りとすっきりとした味わいが特徴で、〈こがねい〉の名前にちなんだ定番のエールビールです」(平野)
■ヴァイツェン(ABV:5.0%、IBU:11)
苦みが抑えられていて、ビールがあまり得意でない方にも飲みやすい一杯。
「香り豊かでまろやかな、苦さ控えめの小麦を使った白ビール。バナナのようなフルーティな風味です」(平野)
■アメリカンIPA(ABV:6.0%、IBU:52)
アルコール度数が高めで、クラフトビール好きにおすすめの一杯。
「アメリカ産ホップ由来のフルーティな香りと力強い苦みが特徴で、味わい濃厚なビールです」(平野)
- ※ABVとは、アルコール度数を表す
- ※IBUとは、苦みの単位で、数値が大きいほど苦みが強くなる
拠点とする小金井市とのつながり

――「ゴールデンエール」は〈こがねい〉の名前にちなんでいるとのことですが、なぜ小金井市に醸造所を構えたのですか?
木村:当社らしく、地域の方とのつながりを持ちやすい場所ということで、醸造所は小金井市内の高架下に構えました。当社の本社所在地であり、古くから地域とのつながりを育み、ともに成長してきた経緯があることと、小金井市は多摩エリアでも有数の地下水が豊富なエリアであること、小金井市の市名の由来と言われている「黄金(※諸説あり)」は水のことを指していて、これがビールの主な原料であることなども理由です。

――ビールを間に挟んでの地域との交流は生まれていますか?
木村:醸造所に併設のタップルームには、近隣にお住いの方に多くご来店いただいております。元々小金井市には醸造所やクラフトビールを多数取り扱うビアパブのようなお店がないため、地元の方がビールを楽しめる場所としてご利用いただいており、開業から数か月で常連になってくださった方もいらっしゃいます。
――そうした交流の広がりも楽しみですね。中央線ビアワークスの今後の展望も教えてもらえますか?
平野:3種類の定番だけでなく、地域の名産品を副原料にしたビールの開発も予定しているので、南武線にちなんだ限定ビールの醸造にも挑戦したいです。
地域の声を受けて始まった南武線ビアマルシェ

2023年から始まり、今年で3回目の開催を迎える「南武線ビアマルシェ」。今年のテーマは「飲み比べて楽しむ南武線沿線の持続可能なビール旅」で、南武線沿線を中心に、12のブルワリーが稲城長沼に勢ぞろい! ビールのお供として欠かせない、おつまみフードを販売するキッチンカーも出店します。その他にも、出店ブルワリーのグッズが当たる「南武線ビアくじ」や、ミニゲームで高得点を出すとお菓子をゲットできる「こどもミニ縁日」など、年齢を問わずに楽しめるさまざまな企画が用意されています。
――南武線ビアマルシェは、どのような経緯で始まったのですか?
吉村:多摩川に沿うように、東京都の立川駅から神奈川県の川崎駅を結ぶJR南武線は、通勤・通学の通り道や他線への乗り継ぎとしてご利用される方が多い路線です。そんな南武線に、「クラフトビールのブルワリーも沿線に誕生し始めている今だからこそ、JR南武線の横の繋がりをつくりたい!」「クラフトビールで、JR南武線沿線地域をもっと盛り上げたい!」……そういった地域の方の声を受け、2023年10月に稲城長沼にて初開催しました。
――ビールを楽しむこと以外にも、さまざまな企画がありますね。
吉村:南武線ビアマルシェは、クラフトビール好きのお客さまはもちろんのこと、ファミリー層の多い地域でもあるので、お子さまと一緒に楽しめるような、地域色豊かなクラフトビールイベントをコンセプトにしています。地域の方々が楽しめる企画を続けることで、稲城長沼駅が通過点ではなく「目的地」になる、そんなイベントを目指しています。
――今回は中央線ビアワークスも初出店しますね。意気込みを聞かせてもらえますか?
平野:南武線駅員時代から南武線ビアマルシェに参加しているので、やっと自分の古巣で自分の作ったビールを飲んでもらえることが非常に楽しみです。南武線沿線の皆さまへの恩返しとして美味しいビールを提供したいと思います。
――最後に、今後出店予定のイベントはありますか?
木村:直近では11月2日(日)に開催される国分寺まつりへの出店が決まっています。地元のお祭りや多摩エリアのイベントを中心に、今後は出店を広げていきたいです。
南武線ビアマルシェ2025
開催日時:
2025年10月10日(金)~11日(土)
・10日(金)16:00~21:00(L.O. 20:45)
・11日(土)11:00~20:00(L.O. 19:45)
※小雨決行・荒天中止
開催場所:
いなぎペアパーク(JR南武線 稲城長沼駅南口からすぐ)
入場料:無料
- ※イベント詳細についてはこちら(JREメディア)
- ※イベントで販売するビールやフードについて、売り切れの場合はご容赦ください
中央線ビアワークス

住所:
東京都小金井市緑町5丁目3番45号
営業日:
木・金・土・日曜日(月~水曜日は休業日)
※ただし祝日は変更する場合があります
営業時間:
木・金 17:00~21:00
土 11:00~21:00
日曜日または祝日 11:00~19:00
(ラストオーダーは閉店30分前)
※営業時間は予告なく変更する場合があります
交通アクセス:
JR中央快速線 武蔵小金井駅から徒歩9分・東小金井駅から徒歩12分
URL:
https://www.jrccd.co.jp/chuolinebeerworks/
INSTAGRAM:
https://www.instagram.com/chuolinebeerworks_