てっぱくで楽しむ台湾体験! におい・味・歴史にふれてみよう

鉄道博物館(てっぱく)の魅力を伝えるべく、いよいよ新連載がスタート! なかの人のトップバッターとして第1回に登場するのは広報担当のDさんです。いきなり台湾について語りはじめていますが……今回は、本館2階スペシャルギャラリー1で開催中の交流協力企画展「和風×台味 台湾鉄路の食文化」についてのお話です。

台湾へようこそ!

えっ? どうしていきなり台湾の話!? ……と思った方もいるかもしれません。

実は、台湾の鉄道文化、特に食文化は日本と密接にかかわっているのです。鉄道博物館では、そうした日台の食文化のおもしろさを現在開催中の交流協力企画展「和風×台味(タイウェイ) 台湾鉄路の食文化」で紹介しています。

今回は、日本の影響を受けながら独自に発展した台湾の鉄道の食文化についてのぞいてみましょう!

日本と台湾の食堂車物語

日本のスシ37800形食堂車。「富士」や「燕」などに使用された

鉄道での食事といえば、食堂車を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。日本で初めて食堂車が登場したのは1899(明治32)年。山陽鉄道が急行列車に連結したのがはじまりでした。

鉄道の長距離化にともなって登場した食堂車は、戦後にはビュフェ車などの軽食中心の車両へと変化しました。1970年代をピークに減少し、今では昔の食堂車はなくなってしまいましたが、JR東日本のコンセプト列車など、食事や観光を楽しむ列車が運行されていますね!

JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE四季島」。てっぱく横の線路を通過する際はお客さまと一緒にお手振りをしています!

台湾で食堂車が登場したのは、日本統治時代の1912(明治45)年のこと。当初は一等車向けの特別なサービスでしたが、1922年には三等食堂車も登場し、より多くの人に利用されるようになりました。

そして1961年、台湾では新型ディーゼル機関車に豪華な客車を連結した「観光号」が導入されます。この列車の食堂車は、なんと日本の車両メーカー「日本車輛製造」が手がけた車両でした。

「観光号」の食堂車(台湾)

この台湾の食堂車は、当時日本のブルートレインに使われていた「ナシ20形」を参考に設計されました。食堂車の椅子は日本と全く同じものが使われており、完成後は日本国内で試運転も実施されたほど。

日本の「ナシ20形食堂車」と台湾の「DC32750形食堂車」の比較展示

展示では、日本と台湾それぞれの食堂車を比較できるコーナーも! デザインの違い、共通点を探してみてください。

「便當〜!」の声が響いた駅の風景

「初代台鉄排骨菜飯弁当(再現模型)」

さて、鉄道と食事と言えば、駅弁も忘れてはいけません。台湾では、食堂車よりも早く駅弁が登場していました。1930年代には駅前に「弁当屋」ができ、日本の影響を受けて、冷たいお弁当(おにぎり、煮物など)が人気を集めていました。

ところが1950年代に入り、中国大陸から渡ってきた人々は“冷めた弁当”を食べる習慣がなく、温かい駅弁へのニーズが高まります。

こうして誕生したのが、台湾名物「排骨(パイコー)弁当」です。丸いアルミ容器に、揚げた排骨(豚のスペアリブ)、炒めた菜飯、煮卵や漬物が詰まったスタイルは、今も大人気です。

ホームの立ち売り風景のイラストと法被の展示
たくさんの弁当を抱えた売り子が列車の窓越しにやりとりしていました

台湾の鉄道駅では、ホームに売り子が立ち、窓越しにお弁当を販売するスタイルが定着していました。ホームに響く「便當〜便當〜!」という売り声と窓越しの販売風景は、まるでかつての日本の駅弁文化のよう。

「便當」の発音は「ベントン」。もちろん日本語の「ベントウ」から来ています。

てっぱくで台湾の味を!

排骨弁当のにおいを体験できるコーナーのイメージ
排骨弁当はどのような味がするのでしょう?

展示室では、てっぱく初となる「においの展示」も実施中! 排骨弁当に使われるスパイス「八角」の香りが再現されており、来場者の食欲をそそります!

トレインレストラン特製魯肉飯(ルーローハン)&マンゴーシャーベットセット(1,780円 税込)

さらに館内のレストラン・カフェでも台湾の味を楽しめます。本館2階の「トレインレストラン日本食堂」では、「トレインレストラン特製魯肉飯(ルーローハン)&マンゴーシャーベットセット」をご用意。

柔らかく煮込んだ豚肉をごはんに乗せ、五香粉の香りがアクセントになっています。デザートのマンゴーシャーベットでさっぱりとお召し上がりいただけます。

ビューレストラン特製牛肉麺(ニョウロウメェン)(1,350円 税込)
タピオカミルクティー(R 550円/L 600円 税込)

台湾で牛肉料理と言えば、牛肉麺! コク深いスープとやわらかい牛肉が絶品です。こちらのメニューは南館4階の「ビューレストラン」でお楽しみいただけます。

そのほか、本館1階の「キッズカフェ」ではタピオカミルクティーも。館内見学の休憩にぜひ飲んでみてくださいね!

これからの台湾の鉄道にも注目!

台湾では現在「国家鉄道博物館」のグランドオープンに向け準備が進められています(現在は部分公開中)。動態保存された車両の乗車体験や、入換作業の見学など、まさに“生きた鉄道博物館”がテーマ。完成が待ち遠しいですね!

国家鉄道博物館の全域模型

さて、台湾に行きたくなってきましたか? 実際に行くことは難しくても、てっぱくで台湾の鉄道や食文化を体験することができますよ♪ ぜひご来館ください!

-国家鉄道博物館準備処(台湾)・鉄道博物館(さいたま市)-
交流協力企画展「和風×台味タイウェイ 台湾鉄路の食文化」

会期:
2025年2月22日(土)~2025年6月2日(月)

会場:
鉄道博物館 本館2F スペシャルギャラリー1

料金:
無料(入館料のみ)

  • ・鉄道博物館について詳しくはこちらから

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