豪雪地帯を走る飯山線。除雪作業を見学してきました
投稿日:2016年1月27日
昨年の1月下旬、JR飯山線の森宮野原駅付近で、除雪作業を見学する機会がありました。
豊野駅と越後川口駅を結び、長野県と新潟県の豪雪地帯を走る飯山線。長野県では最北に位置する森宮野原駅は、昭和20年2月12日に、駅における最高積雪量7メートル85センチを記録しています。
ところで「豪雪地帯」とは、法律により指定された地域であることをご存じでしょうか?
はなはだしい積雪により「産業の発展が停滞的で、かつ、住民の生活水準の向上が阻害されている地域」として豪雪地帯に指定されているのは、なんと日本の国土の約51%にもおよびます。
さらに、豪雪地帯の中でも「住民の生活に著しい支障を生じる地域」が、「特別豪雪地帯」に指定されています。森宮野原駅のある長野県の栄村もそのひとつです。
日本の半分は豪雪地帯…と思いつつ見上げると「日本最高積雪地点」の標柱が立っていました。
この標柱、高さが8メートルあるとのことで、実際にこれくらい積もったということですね!
除雪の作業現場に行くため、除雪車に乗車!
安全のため、作業着と長靴に着替え、ヘルメットを装着して車庫へ向かいます。
これが除雪車!
除雪車の運転台に乗せてもらい、除雪の作業現場に向かいます。
ふと見ると、除雪車の車窓には、まるで水墨画のような風景が広がっていました。美しいですね。
除雪は列車の走らない夜間に行っているそうですが、積雪量によっては、日中に列車の運行を止めて行うこともあるそうです。
取材の時期は雪が多く、ほぼ毎日、日中の除雪も行っているとのことでした。
除雪の作業現場では、人手で線路に雪下ろしをしていました
除雪の作業現場に到着。驚いたことに、線路脇に高く積みあがった雪の上にいる作業員の方々が、線路に雪を落としていました。
積まれた雪はかなりの傾斜があり、命綱で体を固定させて作業をしています。
除雪とは線路に自然に積もった雪を吹き飛ばすものかと思っていましたが、この時は、あらかじめチェックしておいた、崩れ落ちてきそうな線路脇の雪をまず雪下ろししていたのです。
レールも見えなくなるほど、たくさんの雪が下ろされました。
ここで先ほどの除雪車が登場です!
雪をかき集め、勢いよく遠くに吹き飛ばします。
高く舞い上がる雪は、迫力がありました!
えきねっとFacebookに投稿した、飯山線の除雪作業の動画もご覧ください。
飯山線の森宮野原駅付近で、除雪作業を見学しました。
Posted by えきねっと(JR東日本ネットステーション) on 2015年2月16日
除雪車の後ろにまわると、別の装置が!
ご覧いただいたように、除雪車の片側は雪をかき集めて遠くに投雪するロータリー装置が付いていますが、後ろにまわると、線路上の雪を押しながらかき分けるラッセル装置と、雪を切り崩すアームの様な装置が付いていました。前後で一台二役とは恐れ入りました!
間近で見ると、なんだか変身ロボ…のようにも見えてきました!
冬のローカル線で、真っ白な車窓風景を眺めてみては?
除雪作業を見学した翌日、注意報が出るほどの大雪の中、戸狩野沢温泉駅から飯山線に乗車しました。
地道な除雪作業のおかげで、安心・安全に雪国の列車に乗れるんだなぁと思いながら、あったかい列車の中から雪におおわれた美しい車窓風景を眺める、心安らぐひととき…。
雪国でそんな冬のローカル線の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<雪国のローカル線 列車旅のご注意>
冬季は時刻を変更して運転される列車もありますので、事前に時刻表やJR東日本サイトで、最新の時刻を確認してからお出かけください。
また、積雪・天候等により、急きょ列車が運休する場合もありますのでご注意ください。
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