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天然温泉100%かけ流し。野沢温泉で外湯めぐり

投稿日:2015年2月27日

長野県の野沢温泉は、漬物やおやきの具材で有名な野沢菜の発祥地。冬は、国内はもとより、海外からのスキー客でもにぎわいます。

野沢温泉では古くから、住民の生活に温泉が深く関わっていて、温泉街には江戸時代から続く“湯仲間”制度により管理、維持されてきた13の共同浴場「外湯」が点在しています。冬の野沢温泉で、外湯めぐりを楽しんできました。

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外湯は源泉100%かけ流し!

野沢温泉の源泉は30ほどあり、掘削やポンプアップではない自然湧出の温泉です。弱アルカリ性で湯の温度は40~90度。そして外湯は源泉100%かけ流しとのこと。

野沢温泉の住民が毎日のように利用している、なんともぜいたくな外湯。もちろん宿泊客や観光客も利用することができます。

「自然湧出」「源泉100%かけ流し」などというキーワードに、温泉好きならわくわくしてしまいますが、ここで一つ問題が。野沢温泉はかなり熱いことで有名なのです。 とはいえご安心を。ぬるめの外湯もありました。

外湯めぐりその1:熊の手洗湯

ケガをした熊が傷をいやしたという伝説がある「熊の手洗湯(くまのてあらゆ)」の源泉は40度程度とのこと。小さな建物に道路に面したドアがふたつ。「女湯」「男湯」に分かれています。

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中にいる人の声がよく聞こえるなぁ…と思いつつ、ドアを開けてびっくり! ドア正面の目隠しの壁の向こう側がいきなり浴槽なのでした。そして浴槽の横が脱衣所。壁一面が荷物を置くために仕切られた棚になっています。

秘湯の露天風呂で脱衣所と浴槽が一体となっているのは体験したことがありますが、内湯(野沢温泉では外湯ですが)でこういうのは初めてだったので驚きました。でも、目の届くところに荷物があるので安心です。

浴槽は2つに仕切られていて、まずは“ぬる湯”に。雪の降る中を歩いて冷えた身体に、温泉がじんじんと染み渡り、思わず「はぁ~」とため息がこぼれます。 「こっちもそんなに熱くないわよ」と、先客に勧められ、“あつ湯”にも挑戦。いい湯加減です。そして熱い方がなんだか温泉が濃いような気がします。ほかほかに温まったところで、お次へ。

外湯めぐりその2:大湯

温泉街の中心にあり、野沢温泉のシンボルとも言われている「大湯」は、江戸時代からの趣きを今に伝える湯屋建築の建物も美しく、湯めぐり気分を盛り上げてくれます。

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中に入ると、大湯も脱衣所と浴槽が一体化していました。広々として天井も高く、気持ちのいい空間です。観光客も多く、外国人もちらほらと。みんなぬる湯に入っています。住人の方々はもちろんあつ湯に涼しい顔をして、首までつかっていました。あつ湯におじゃましてみましたが、…かなり熱いですね。大湯は“あたたまる湯”というのも特徴なのだそうです。

さて、こちらは入浴マナーの案内図。脱衣所と浴槽が一体化している感じが分かっていただけるのではないでしょうか。

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外湯めぐりその3:松葉の湯

“2階建てが特徴”の「松葉の湯」。1階部分は住民が衣類を洗ったり、時には野沢菜を洗ったりする洗濯場で、2階が外湯になっています。入口には「玉子湯」がありました。ネットに入れてつけておくと、22分で温泉玉子ができあがるとか。

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ドアをあけると、こちらは脱衣所が独立していました。 外湯を紹介しているパンフレットに書かれていた“薄い乳白色で、やわらかい湯心地”というコピーにひかれてやって来ましたが、浴室の入り口にはなんと「熱湯注意」の張り紙が!

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なかなか刺激的な熱さなので、熱いお湯が好きな方、ぜひチャレンジしてみてください。

それぞれに泉質や効能が少しずつ異なる、個性的な野沢温泉の外湯。どこもきれいに管理されていて、湯仲間の温泉に対する愛情が感じとれるようでした。何度か訪れて、13すべてに入ってみたくなりました。

野沢菜漬けもはずせません

おみやげは迷わずに野沢菜漬けに。漬物にする野沢菜は、野沢温泉では8月の下旬までに種まきをし、11月前半に1メートルほどになったころを収穫するそうです。温泉で洗われて桶に漬けられた野沢菜は乳酸菌で発酵し、年が明けたころからおいしい野沢菜漬けが味わえるようになるのだとか。

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こちらは「野沢菜そば」。キノコと豚肉と野沢菜が、なかなかいい組み合わせでした。発酵が進んでちょっとすっぱくなった野沢菜漬けは、お肉と炒めたりしてもおいしくて、いろいろと楽しめます。

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北陸新幹線開業で、野沢温泉へのアクセスが変わります

野沢温泉の最寄りの駅は、飯山線の「戸狩野沢温泉駅」(戸狩温泉の最寄駅でもあります)。同駅から路線バスで野沢温泉にアクセスできますが、2015年3月14日の北陸新幹線 飯山駅開業にともない、新たに運行が開始される飯山駅からの直通バスに一本化され、戸狩野沢温泉駅からの路線バスは廃止になるそうです。

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冬の温泉街も風情がありますが、5月の連休ごろの、野沢菜の黄色い花畑もきれいですよ。 北陸新幹線に乗って、野沢温泉で外湯めぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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