ローレル賞を受賞! 烏山線を軽やかに走る、蓄電池駆動電車「ACCUM(アキュム)」[鉄道風景]
投稿日:2015年6月10日
[2014年5月11日 烏山線沿線で撮影 by MS]
栃木県の東北本線・烏山線を走行する蓄電池駆動電車、EV-E301系が「2015年ローレル賞」を受賞しました。
ローレル賞は、1953年に創立された鉄道愛好者団体「鉄道友の会」が、前年に営業運転を開始した鉄道車両の中から、利便性や快適性、環境対応、新技術の有効活用などを評価し、優秀と認めた車両に対して贈られるものです。
緑豊かな烏山線沿線。いかにも“電車”といった車両が、架線もパンタグラフもなしに、軽やかに走っている姿は、なんだか健気に見えます。
EV-E301系は2014年3月に烏山線にデビュー。「ACCUM(アキュム)」の愛称で呼ばれています。大容量の蓄電池(リチウムイオン電池)を搭載し、東北本線の宇都宮~宝積寺の電化区間は、架線から蓄電池に充電しながら走行し、烏山線の宝積寺~烏山間の非電化区間は、蓄電池の電力で走行します。
「非電化路線鉄道の新しい動力方式を具現化」した点が評価されました
「架線と大容量蓄電池のハイブリッド方式により、非電化路線の旅客サービスと車両の環境適合性両方の向上が図られ、非電化路線鉄道の新しい動力方式を具現化した車両」として「鉄道友の会」に評価されたACCUM。
ディーゼルエンジンを搭載した気動車と比較すると、振動や騒音が小さく、排気ガスを生じないという特徴があります。
ご参考までに、下の写真でACCUMのお隣に並んでいるのが、烏山線を走る気動車キハ40形です。両車の見た目のコントラストだけでも、技術の革新を感じますね。
烏山駅にはACCUM の“充電ゾーン”があります!
終点の烏山駅には “充電ゾーン”があり、ACCUMがパンタグラフを上げて架線から充電している姿を見ることができます。思わず「おつかれさま」と、声をかけたくなってしまうかもしれませんよ。
ACCUMは現在、1日3往復運行されています。宇都宮や日光など、栃木県方面にお出かけの際には、時刻表などで運転時間をご確認のうえ(「列車番号」の末尾が「M」になっているのがACCUMです)、烏山線にも足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
JR東日本:各駅情報「烏山駅」※時刻表はこちらからご覧いただけます。