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色とりどりの花が美しいその理由は…。春うららの花見山の楽しみ方

投稿日:2016年4月14日

お花見の名所と言えば、染井吉野の桜並木や、樹齢を重ねた一本桜などが思い浮かびますが、春になると白やピンクや黄色など、いろいろな花が山をおおうように咲き誇り、独特のおもむきがあるのが、福島市を代表するお花見の名所、花見山です。

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その光景は、写真家の故・秋山庄太郎氏に「福島に桃源郷あり」と称えられ、全国に知られるようになったそうです。

花見山は花木生産農家が集まる地域。その中でも、阿部家が所有する山を、無料で開放しているのが「花見山公園」です。

自宅前の雑木山を開墾し、少しずつ増やしていった花々を見たいと言う人々が多くなってきたことから“きれいに咲いた花を、みんなで見て楽しむのも良いのではないか”、という考えで、1959(昭和34)年に「花見山公園」として公開されました。それから50年以上が経ったいま、阿部家の3代目が先々代の意思を引き継いで「花見山公園」を守っています。
そんな物語を知ると、花がより美しく見えてきそうですね。

4月初旬、桜の開花シーズンでにぎわう花見山を訪れました。

花見山へは、JR福島駅から「花見山号」バスで約15分

東北新幹線で福島駅に到着。駅から花見山公園へは、桜の開花シーズンに運行される臨時バス「花見山号」に乗って約15分(片道 大人250円)です。週末などの混雑時には、もっと時間がかかることもあるそうですので、帰りの電車に乗り遅れないようにご注意を。また、路線バスが通年運行しています。

花見山公園の臨時バス停から、花見山公園の入口までは少し距離があり、小川に沿ったウォーキングトレイルをのんびりと歩いて向かいます。

周囲には菜の花や赤いボケの花。その向こうは、ところどころピンク色に染まっています。のどかな里山に咲く花に心が和みます。

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そろそろ公園の入口では? という時に、一面の菜の花畑と、大きな白木蓮を囲むように咲く桜が現れました!

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記念写真を撮るにはうってつけのスポットのようで、たくさんの人がカメラを構えていました。バス停から花見山公園の入口まで歩くだけで、お花見を十分に満喫した気分ですが、メインはこれからです!

福島市の花の魅力を案内してくれる、ボランティアガイド「ふくしま花案内人」

花見山公園の入口には、ログハウスという愛称の観光案内所があり、福島市の観光ボランティアガイドの認定を受けた「ふくしま花案内人」の方々が、花見客をお出迎えしてくれます。

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黄色いジャンパーが目印の「ふくしま花案内人」のみなさん。現在100名以上もいるとか。楽しい方が多くて、思わずおしゃべりがはずみます。

花見山公園には、体力や時間にあわせて選べる30分、45分、60分の見学コースがあります。コース上の要所には「ふくしま花案内人」が待機していて、その日の花の見どころや開花状況などを案内しているそうです。

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山ということで、歩きやすいスニーカーとリュックで、準備は万全。もちろん、頂上を通る60分コースを選択です。

「ふくしま花案内人」の発足当時から13年間活躍されている、ベテランの河野さんと一緒に見学コースを歩きました。

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桜のトンネルがあちこちに。この日はとても良いお天気で「今日来た方はラッキーですね。宝くじを買ったら当たるかも!?」などと、楽しげに花見客に話しかけていました。

花見山公園には「桜は20種類ほど」あるとのこと。この日は染井吉野に東海桜、寒緋桜におかめ桜などを見ることができました。

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レンギョウの黄色と、花桃のピンクが鮮やかです。

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花に見とれて歩いていると、あっという間に山頂です。
山頂から吾妻連峰を望みます。ここから見える吾妻小富士の斜面にうさぎの形をした残雪“雪うさぎ”が表れると、種まき時期がきた目安になるとか。

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この冬は雪が少なかったので、すでに残雪もまばら。耳は短いけれど、横向きのうさぎらしきもの…が見えました。

花見山公園ならではの、花の魅力

枝を切って出荷するために、花見山の花木はこんな風に、太い幹から細い枝をたくさん伸ばして花が咲いているものが多く、また、目の高さにたくさん花が咲いているのも特徴です。

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写真手前の花桃の枝はまだ短く、成長を数年待ってから、枝を切って出荷するそうです。

さらに4月のお花見シーズン最盛期は、訪れる人にたくさんの花を楽しんでもらうために、農作業を控えているのだとか。そんな阿部家の心遣いにまたもや感動です。

「東日本大震災の後、1年間休園した翌年の花はいつにも増してきれいだったような気がしますね。福島にたくさんの人が花を見に来てくれることが本当の復興だと思いますし、私たち花案内人もうれしいです」と河野さん。

そんな話を聞きながらの下山途中、河野さんに言われて振り返ると、「これが桃源郷…」と思わせる光景が目に飛び込んできました。

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本来、桃源郷とは、行こうとしてもたどり着けなかったり、再び訪れることができなかったりする存在のようですが、花見山はしっかりとそこにあり、何度でも訪れることができる桃源郷と言えそうです。

来年の春も、そして他の季節も何かしらの花が咲き、訪れる人を迎えてくれるという花見山。花好きなら何度でも通いたくなるほどの魅力を体験しに、出かけてみてはいかがでしょうか?

福島市の観光PRキャラクター「ももりん」と「ブラックももりん」を発見!

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バスのドアに描かれているのは、先ほど頂上から見た吾妻小富士の残雪“雪うさぎ”をモチーフにした福島市の観光PRキャラクター「ももりん」。
またライバルとして後から登場したという、黒いサングラスをかけた「ブラックももりん」も大人気なのだとか。パンフレット類の重石にも登場していましたよ。

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「ふくしま花案内人」による、お手製の重石。

<駅たびnetの花見山公園情報>
観光スポット・イベント情報「花見山公園」

JRで行くおすすめモデルコース めぐれーる「花見山、三春。福島の花と温泉を楽しむ旅」
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